立替払い方式で現金管理をカンタンに
個人事業には当然現金のやり取りも出てきます(生活費を引き出す、事業用の支払いをする等々)。
しかし、帳簿上で「事業用」と「個人用」で現金を分けると、経理が面倒になります。
現金の管理には「現金出納帳」でお金の出入りを記帳する必要がありますが、財布の中のいくら分が事業用のお金か、訳が分からなくなりませんか?
先週口座から引き出した分は事業用として記帳、今週引き出した分は個人用にして・・・あれ?通帳と現金が合わない等々、手間ばかり掛かります。
そこでおすすめなのが「立替払い方式」です。
立替払い方式とは
- 事業用の現金は持たずに、引き出したお金はすべて個人のお金「事業主貸」として記帳します。
- 事業用に支払いが必要になった際は、個人のお金から支払い「事業主借」として記帳します。
- 支払いはすべて個人の現金から!現金を事業用と個人用に分ける必要がなくなります!
以下で具体的な仕訳方法をご案内します!
仕訳例
1.事業用の口座から生活費300,000を引き出す
借方 | 貸方 |
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事業主貸 300,000 | 普通預金 300,000 |
現金を引き出すときは全て個人用(事業主貸)
2.備品1万円を現金で購入
借方 | 貸方 |
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消耗品費 10,000 | 事業主借 10,000 |
現金で支払う際のお金の出所はすべて個人のお金(事業主借)
こうすれば帳簿上に「現金」という勘定科目は出てきません。
また、出所が個人なら「現金払い」でも「カード払い」でも「口座引き落とし」でもすべて『事業主借』で記帳します。ラクチンですね。
3.備品1万円分を個人のクレジットカードで購入
借方 | 貸方 |
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消耗品費 10,000 | 事業主借 10,000 |
立替払い方式について、理解できましたでしょうか?
IT系フリーランスやデザイナー・ライター・ネット通販・オークション・せどりなど、ネット中心の個人事業主であれば、この「立替払い方式」のほうが経理・仕訳がラクではないでしょうか?
※実店舗を持つ商店等は現金が必要かと思われます。
簿記・経理への理解が深まってきたら、会計ソフトにどんどん入力して確定申告に備えましょう。