1年目の個人事業主・フリーランスが白色申告を選ぶ理由

はじめての確定申告
1年目の個人事業主・フリーランスが白色申告を選ぶ理由は、大きく分けて2つあります。

  1. 青色申告承認申請書を期限までに提出しなかった
  2. 青色申告は難しいと思うため

1の場合は、青色申告を選びたくても選べないケースですね。1年目の個人事業主・フリーランスは開業後すぐに青色申告承認申請書を税務署に提出しておかないと、確定申告時に青色申告を選択することができないのです。

 

2の場合、どうしても「青色申告は難しい」という先入観があるようです。今は会計ソフトも進化しているので、そんなに難しくないのですが・・・

 

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ここでは青色申告と白色申告の違いや白色申告の方法を見ていきます。

白色申告と青色申告の違い

  白色申告 青色申告
事前の申請 不要 必要
所得 すべての所得 不動産所得・事業所得・(山林所得)
帳簿の記帳方法 単式簿記 複式簿記
会計処理 発生主義 発生主義
帳簿の保存義務 あり あり
青色申告の特典 なし あり

個人事業主・フリーランスは事業所得のため、白色申告と青色申告の違いは次の2つです。

  • 事前の申請の要・不要
  • 単式簿記か複式簿記か

次から、それぞれについて見ていきましょう。

 

●青色申告をするための事前の申請

青色申告をするためには、「所得税の青色申告承認申請書」を提出する必要があります。
申請書の用紙は下記の国税庁HPからダウンロードできます。

 

https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/pdf/h28/10.pdf

 

申請期限は、事業開始の日から2か月以内または青色申告をしようとする年の3月15日まで。開業1年目の場合は開業後2か月以内に青色申告承認申請書を提出しないといけませんが、初めてのことなので気づけば期限を過ぎているということが結構あります。その場合、1年目は白色申告しかできません。
1年目の確定申告の提出と一緒に「所得税の青色申告承認申請書」を提出することで、2年目から青色申告をすることができます。

 

開業後2ヶ月以内に申請しておかないと、青色申告は選べない!

これが、1年目の個人事業主・フリーランスが白色申告をする大きな理由の一つとなっています。
他に選択肢がないですからね・・・

 

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●白色申告は単式簿記、青色申告は複式簿記
@単式簿記

単式簿記とは「お金がどのように動いたか」その目的のみを記載する方法です。
現金や普通預金などの支払った手段は記載せず、「消耗品費」や「雑費」などの
目的のみを記載します。つまり売上や経費などの損益の科目のみを記載する方法です。

 

A複式簿記

複式簿記とは簡単に言うと「何を」「何に使ったか」の両方を記載する方法です。単式簿記にくらべて記載する項目が増えています。
「何を」が「現金」や「普通預金」、「何に使ったか」が「消耗品費」や「雑費」などに当たります。
複式簿記は「損益科目」だけでなく、「現金」などの資産や負債の「貸借科目」も記載する必要があります。

 

複式簿記は難しい、と感じる方が多いのが、1年目の個人事業主・フリーランスが白色申告を選ぶもう一つの大きな理由です。

 

上記のことを踏まえ、白色申告のメリットとデメリットをまとめてみました。

 

白色申告のメリット・デメリット
メリット デメリット

・事前の申請が不要
・単式簿記なので簡単

・青色申告特別控除が使えない(=節税メリットがない)
・赤字の繰越ができない
・家族への給与を経費にできない

白色申告は、事前準備の手間や単式簿記での記帳など、青色申告よりもハードルは低くなっています。
しかし、節税効果の高い青色申告の特典を受けることができません。

 

白色申告のやり方

ここでは白色申告についてみていきます。

 

<提出に必要な書類>

白色申告で提出に必要な書類は「収支内訳書」「所得税確定申告書B」です。

 

「収支内訳書」

1枚の用紙で裏表になっておりそれぞれ表面と裏面ともに記載箇所があります。

 

国税庁ホームページ「収支内訳書」

 

表面
主に売上や経費の金額を記載するところです。
・住所・氏名・職業・電話番号などの個人の情報の記載箇所
・売上、仕入、経費、利益の記載箇所
・給料賃金の明細を記載する箇所
・税理士・弁護士への支払いの明細を記載する箇所
・事業専従者の氏名などを記載する箇所
があります。該当がある個所のみ記載します。

 

裏面
主に売上先、仕入先、減価償却費の明細を記載する面です。
・売上先とその取引金額を記載する箇所
・仕入先とその取引金額を記載する箇所
・減価償却費の明細を記載する箇所
・支払った地代家賃の明細を記載する箇所
・金融機関以外の借入金に対する支払った利息の明細を記載する箇所
・取引先の倒産や災害にあったなど、本年におこった特殊事情を記載する箇所
があります。該当がある個所のみ記載します。

 

「所得税確定申告書B」

国税庁ホームページ「確定申告書B」

 

所得税確定申告書Bは通常 第一表と第二表を提出します。
・第一表 税金の計算をするための表です。
     ざっくりいうと、
     収入と所得(もうけ)、扶養控除や生命保険料などの所得控除を記載。
     (所得−所得控除)×税率=納める税金 を計算します。
・第二表 第一表の内訳を記載します。
     いろいろな所得があったときにその所得の内訳や
     所得控除の内訳(A保険会社にいくら支払ったなど)を記載します。

 

<提出期限>
翌年2月16日〜3月15日です。住所地の所轄の税務署に提出します。

 

<白色申告する場合の帳簿等の保存>
平成26年1月から白色申告をする個人事業主・フリーランスはすべて、帳簿等の保存が義務付けられました。

 

記帳する内容
これは日々の取引の入力の話ですが、記帳する内容も決まっています。
簡単に言うと「日付と相手先の名前、金額を記載してください」ということなので、これは問題ないかと思います。
※一つ一つの取引ごとではなく日々の合計金額をまとめて記 載するなど、簡易な方法で記載してもよいことになっています。

 

保存期間も次のように決まっています

保存が必要なもの 保存期間

帳簿

 

収入金額や必要書類を記載した帳簿 7年
業務に関して作成した上記以外の帳簿 5年
書類 決算に関して作成した棚卸表その他の書類 5年
業務に関して作成し、又は受領した請求書、納品書、送り状、領収書などの書類 5年

※収入金額や必要経費を記載した帳簿…売上帳や仕入帳、総勘定元帳などです。
※業務に関して作成した上記以外の帳簿…例えば、毎日の売上などをエクセルで管理している場合、そのエクセルシートなどです

 

白色申告と青色申告のメリット・デメリットを考え、自分にあった申告をしましょう。

 

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